2014年09月07日

「おちくぼ」をつれづれにまとめる(3)

オニーズ.JPG

・改編その2/誰を登場させるのか問題

前回書いたように、四の君は名前だけで中身は三の君。
本当の四の君は登場していません。
(末の娘だけが未婚のほうがわかりやすいですからね)

原作は文学ですからいくらでも登場人物が増やせるのに対し、
演劇は無尽蔵というわけにはいきません。
役者さんにオファーをかけるのも大変です。

これを妥協というなかれ。

がんばって原作どおりに登場人物が出てきたところで、
それを2時間で理解しなきゃいけないお客さんが困ってしまうのは、
火を見るよりあきらかです。

原作に忠実かつお客さんのノイズにならない適度な変更、
楽しんでもらうためのベストバランスを見つけなければいけません。

「おちくぼ」では、原作に登場する重要人物が結構出てきません。
先ほどの四の君もそうですが、いちばん大きいのは中納言。
つまり、落窪の父です。

気弱で病弱、もうろくしていて北の方の尻に敷かれているというのは
「おちくぼ」で語られているとおりのキャラクターです。

作中でさんざん中納言家と言っているのに、主である中納言本人は出てこない。
このへんは悩んだところですが、中納言は気が弱いので悪に徹することが出来ない人です。
対立構造をはっきりさせるためカットしました。

「おちくぼ」内では語られてませんが、中納言は引越し予定の二条院に
下見に行っているという裏設定をつけました。

一方で、楽太郎くんが演じた和泉からの使者(いずみからのししゃ)は、
原作には登場してないのに「おちくぼ」に登場します。

彼は陰ながら落窪たちを助けるという意味で
原作の三郎君のポジションだったのですが、
さすがに楽太郎くんに年端も行かぬ小僧を演じてもらうわけにも行かず、
近い役割のオリジナルキャラクターをお願いしました。

オリジナルとはいえ、原作でも和泉の叔母からたくさん届け物がありますし、
原作ファンでも彼が登場するのに違和感を持った人は少ないはずです。

それに、部外者というのは異世界モノを書くのに大事な役割です。
登場人物間に情報格差をつけることで、説明台詞を自然に書くという狙いもあります。

あと、彼には「行平」という名前をつけていたんですが、
みんな和泉と呼んでいて定着していたので、
この名前が日の目を見ることはありませんでした。残念。

※出番を待つ鬼ーズ。(原作にはこんなシーンありません)

(つづく)


posted by エンプロ at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | おちくぼ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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