2015年08月26日

エンプロ、2015年をふりかえる(3)

◎『犬犬ファンタジア』(脚本:山下カーリー)

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安岡(首輪):塚本 雄介
榊(チンチン):梅津 学
新垣(肉球):山崎 孝宏
成田(お手):三戸部 大峰
紅葉(マネージャー):足達 泰雅 

脚本オファーと打ち合わせが終わって間もなく、カーリーさんからテキストデータが送られてきました。

本作含めて全部で5作品も。

読んでみました。どれも粒ぞろいでそれぞれおもしろい。

しかし、お願いしたのは1作品です。

そのとき最初に思ったのが、「なにこれ、怖い!」でした。

こちらは2作品+イントロダクションを書くのにひーひー言ってるのに、やるかどうかもわからない(といいうか4/5が確実にボツになる)作品を5本も書いて送ってきたのです。

カーリーさんのその筆の速さと気前のよさに心底おののいたものでした。

そんななか、『犬犬ファンタジア』が選ばれたのは、「遠藤が絶対書きそうにないバンドが題材」、「男5人芝居という今までの聞き耳ではありえない絵面」という点を遠藤が気に入ったからです。

また、5人の登場人物の書き分けもきちんとできていたので、読んでいて混乱しない。お見事でした。
その書き分けの妙に敬意を払う意味でそれぞれ登場人物&役者さんを簡単に紹介したいと思います。

リーダー役には塚本くん。
過去3回の聞き耳にもすべて参加している数少ない役者さんです。
今回の役は、かつて一世を風靡したバンドのリーダー。
浮世離れした佇まいといい、低音の美声といい、今までの聞き耳の中でも、特にフィットした役だったと思います。
始まる5分くらい前に席についてもらい、いくらなんでも存在感が薄まるであろう、開演1時間後くらいに遠吠えをブチかます仕掛けは、提供側としても見ていて爽快でした。

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※何が起きても何もしないという演技。

そして、榊役には梅津くん。
メンバーの中でもっとも音楽の素養が高く、唯一いまだに現役のミュージシャン。
しかしそのわりには他のメンバーから尊敬されていないというかわいらしい役柄です。
梅津君の業界人っぽさと小物っぽさを両立する手際の良さはさすがでした。

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※業界人っぽい。ぽいのか。

新垣役は山崎孝宏くん。
よく笑い、よく怒る。「犬犬ファンタジア」の一番槍。メンバーの理論担当が榊なら、感情担当がこの役・新垣です。
何をやっても暗く見えない山崎くんの人柄が十二分に発揮されました。
山崎くんは明るさだけでなく心底真面目な面を併せ持っています。今後もご一緒したい役者さんです。

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※驚くか怒る、または笑う直前の表情。

続いて、成田役には三戸部くん。
成田は、見栄えのいい大きな体に繊細な心根。面倒見のいい成田の性格は、役者三戸部くんそのものと言えます。
読み合わせのときにいきなり「かぼそい」声の演技プランを出してきたときには、かなり驚きました。
何気ないセリフですが「今をときめく主夫だよ」は音声込みでしばらく忘れることはできないでしょう。

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※今をときめく主夫。

最後は、マネージャー紅葉役の足達くん。
足達君は演技プランの豊富さに驚きました。気がつくと新しいプランが増えている。手数の多さは立派な武器です。
また、前半まったく喋らないフリップ芸の人であり、犬メイクの人でもあったので、テクニカル系の作業がいちばん大変だった役でもあります。

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※風邪のわりには薄着。

紅葉もそうですが、足達くんも後輩キャラ(実際年下)だったので、そんな細かい作業に苦労する彼と、それを取り囲む気遣い上手な先輩役者陣で、チームの一体感が出てよかったと思います。

あらためてこの短い上演時間で5人もの役をきちんと書き分け、オチに持っていく感じは、やはりいい本だなと感じました。

そして、今回できなかったほかの4作品も、どこかで日の目を見ることを祈っております。
posted by エンプロ at 15:28| Comment(0) | TrackBack(0) | つれづれ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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