2015年09月21日

隙間に振り返る〜塚本編〜

皆様どうもこんにちは!

遠藤の更新頻度があまりにもあまりにもなため、隙間を埋めるように遠藤が書きそうにないどうでもいいエピソードを披露しに参りました。
エンプロ長麻美です。

さてみなさま、まずはこちらをご覧ください。
どん!
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中央にいるのはお隣のバカ兄弟(兄)を溌剌と演じたザキ君。
下手でわざとらしいポカーン顔をしているのが、お隣のバカ兄弟(弟)役の塚本くん。
周りで大喜びしたり困惑したりするみんな。

なにが起こったのか。
ちょっとだけ時間を巻き戻してみましょう。
はい!
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思いっきり、相当思いっきりクチビルを奪われていたザキくん。

深浦さんと城さんは喜びすぎ。


塚本さんは基本こういう悪ふざけをよくやる人です。
たまにやりすぎて本気で怒られています。本気で嫌われることも多いみたいです。(ヤレヤレ)
しかし根が、というかお芝居に対して真面目なので、ふざけてみえる演技プランも全てきっちり組み立ててきます。

そんなわけでして、エンプロとは長いお付き合い。

ちょっと振り返ってみますかね。
……最初なんだっけ……ちょっとわからないので調べてきます!

わかった!
2005年『followers』
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文学かぶれの猫の幽霊。

2006年『雨夜の喜劇』
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2009年『ウッカリさん!』
写真見つからず。
なんか貧乏なミュージシャン気取りの役だったはず。

2011年『いつか、ひとやすみ。』
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探偵。

あとは、2012〜2015年の聞き耳皆勤賞。

なぜか塚本さんの紹介をひたすらするというよくわからないことになってきたのでもうやめます。

なんだったんでしょうね。
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2015年09月08日

エンプロ、2015年をふりかえる(7)

また時間が空いてしまいました・・・。

公演が終わっても、なかなかまとまった時間がとれません。

人生ままならないものですね(話を一般化してウヤムヤにする作戦)。


前回からの流れで役者さんを順番にご紹介しつつ、裏話などを披露したいと思います。



はい。まずこのおふたりから。

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まずはエンプロが誇るコメディエンヌ、長麻美さんです。

エンプロの看板女優ということはひとまずおくとして、なぜ再演かつダブル・トリプルキャストの話の続きでこの人からなのかを説明します。

再演かつダブル・トリプルキャストのお芝居を稽古するときに何が起こるかちょっと考えてみてください。

役者間の練習時間に驚くべき格差が生じるのです。

「トリプルキャストは練習時間が1/3になって大変!」というくらいならすぐ想像がつくと思いますが、反対に「初演経験済み、ダブルキャストなし」の役者がどうなってしまうのか。

はい。完全に休む時間がありません。相手役をとっかえひっかえ、同じシーンを延々やることになるのです。

そして、彼女はもともとセリフ覚えが早い上に初演経験済みですから、稽古初期段階でほぼ台本が頭に入っている状態です。

とても他の人と同じペースでなんか稽古できません。

そこで、彼女には独自の役割が求められることになります。

それは「とにかく動く」ということです。

ドタバタコメディとは言うものの、所詮ホームドラマです。人が動かなきゃ地味になってしまいます。

初演時から培ってきた演技プランに磨きをかけ、まだセリフや動きの入っていない役者たちの間を縫うように動く、動く。

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この相手役との温度差。多少稽古場で浮いてしまうのは致し方ないことです。

こうしてマラソン大会のラビットのように周りのペースを引っ張ります。

もちろん本番手前で調整するんですが、それまで、それはそれは孤独な作業だったと思います。

ましてや、彼女が演じる田辺葵は序盤に出てきて一回しか退出せず、ほとんど客前にいます。

役柄上は完全に部外者なのにね。

最初からある程度セリフや動きが入っているというのは、楽だと思われるかもしれません。

しかし、先頭には先頭ゆえの風当たりの強さがあるのです。

走りきってくれて、ほんとに感謝感謝です。



次は「初演からのお付き合い」つながりということで城島イケルさんのお話です。

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いまさら遠藤ごときが紹介するのもおこがましい人生の大先輩。

かつ、売れっ子役者でもあります。

「雨夜」の前に出演されたのが、yhs『WORLD IS  MINE』

演出でコンカリーニョのほぼ天井から、ワイヤーに吊られて舞い降りるという無茶をされていました。

そのyhsの楽日が7/19。そして「雨夜」の初日が8/6ですから2週間ちょっとしかあいていません。

いくら初演に出演されているとはいえ、それは9年前の話。

セリフ量もけっこう多めだったので、実際のところ、こっちのほうがよっぽど無茶だったような気がします。

動きのあるシーンでは、結構乱暴に扱われてましたし。

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※みんな、細心の注意をはらって乱暴に扱ってました。

城島さんには、お父さんの潤一郎役を演じていただきました。

本作品の感想で「悪人がいないのがいい」と書いていただいた方がいらっしゃいましたが、客観的かつ冷静に「雨夜」を俯瞰したときに、ほんとうに悪い人間がいなかったかというと、そうではありません。

城島さん演じるお父さんは、浮気はするわ、すぐ調子に乗るわ、反省しないわで、本当ロクなことをしていません。

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※潤一郎はマッサージを申し出た。

しかし、それでもお客さんのなかで潤一郎が嫌いだった人はいるんでしょうか。私はいないと決め付けます。

それは城島さんの人間力としか言いようのないものです。

今回の「雨夜」の雰囲気を作った決定的な色は、城島さんの色だったと思います。

つまり、城島さんは「雨夜」のマスコットキャラクターとして突出した魅力を発揮してくれたのです。感謝。

そんな城島さん、今度は10月16日よりwords of hearts『フライドエッグジェリーフィッシュ』にも出演されます。

依然、売れっ子です。yhsで還暦記念公演をしたのは、ほんと何年前でしたっけ。

再々演のときも是非お願いしたいと思います。笑


さて、次はなにつながりで誰のことを書こうかな。

(ペース配分を完全に間違えていることには気づいております)

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2015年09月04日

エンプロ、2015年をふりかえる(6)

まずはお詫びから。

9月になってしまいました。8月中に2015年が振り返れませんでした。
どうもすみません。

しかし、こんなときのために、8月末から2015年をふりかえっているのです。

だから、どんなに遅れても大丈夫なのです(絵に描いたような居直り)。


というわけでいよいよ『雨夜の喜劇』のふりかえりです。

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※初読み合わせ。おそらく逆方向から撮るべきでした。

去年の『おちくぼ』でも書きましたが、こういうあとがきは、「言いたいことは作品で語るべき」という立場の人には不快かもしれません。

しかし自分がお客さんの立場だったら、こういう「あとがき」があるのとないのとでは、あったほうが楽しいのです。

あちこちでも書いてるような気がしますが、「予想、鑑賞、分析」はワンセット。
作者が分析に入っても問題なかろうと。それが不快なら読まなきゃいいだけですし。

ちなみに遠藤がジブリで一番好きなのは『「もののけ姫」はこうして生まれた』です。メイキング好き。

あと、『パシフィック・リム』の、監督ひとりで延々2時間以上特撮愛を語りまくるという狂気じみたオーディオコメンタリーも大好きです。
日本人の名前も結構出てきましたが、マニアックでなに言ってるんだかさっぱりわかりませんでした。笑

要するに、作家ロマンを大事にするのも否定しませんが、自分はその立場をとらないということです。


さて、何から書こうか迷ったんですが、せっかくコメントもいただきましたし、ダブル・トリプルキャストの話から始めます。
エンプロの得意分野のひとつに「当て書き」という要素があります。

どの役者さんにどの役を当てるかということです。

エンプロの当て書きでは、単に「できるできない」にとどまらず、その役者さんの新しい一面を引き出すことを目標にしてします。
たとえば、普段人のよさそうなおじさんの役ばかりやっている人に、あえて暴力団の組長を当てたりする感じです。

エンプロでお呼びする役者さんは、すでにあちこちで活躍されていることが多いのですが、少し極端な表現をすると、わざわざお呼びするからには「エンプロで見たあの人がいちばんいいよね」と言われるようにしたい。
少なくともそこを目指したいということです。

しかし、今回は再演で先に脚本が決まっているので当て書きはできません。

大事な武器を手放したので普通はマイナス要素になるんですが、創作の場はそんなに単純ではありません。

「当て書き」にはいいところもたくさんありますが、裏を返すと「役者を信用していない」「作家が役者をコントロールしすぎる」状態にもなりやすいのです。

今回はせっかく再演ですし、どうせ当て書きできないのなら、思い切り役者さんの力量におまかせしてノビノビやっていただこうと考えました。

そこで更にダブル・トリプルキャストです。考え方がいちいち極端なのは、遠藤の思考の癖です。

はじめから頑丈なリング(脚本)はあるので、あとは力のある役者さんに集まってもらって戦っていただこうと。

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※頑丈なリングを具現化したもの。

そんなわけで、本作では、同じ役で役者さんごとの裏設定はほとんど考えられていません。
それは役者さんが考えることだからです。

この話の流れだと、役および役者さんごとに振り返っていくのがよさそうですね。

次回からは初演からの引継ぎ組み、新しいキャスト、ダブル・トリプルキャストそれぞれ書いていきたいともいます。

まだコメントの回答には不十分かと思いますが、おいおい回答に近いことは書けると思います。

よろしければもういっちょうお付き合いください。

よろしくお願いします。
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2015年08月29日

エンプロ、2015年をふりかえる(5)

◎『ゴーストライター珠美』(脚本・遠藤雷太)

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木村 京子:後藤貴子
南 珠美:山下カーリー
充名あい:大沼理子

この「聞き耳カフェ」は一見オムニバス公演ですが、単に短編を並べているだけではありません。

公演全体としても起承転結を考えて構成しております。

「珠美」はイントロダクション(導入部)という位置づけですが、聞き耳カフェでは、このポジションを考えるのがいちばん難しい。

なぜならただの導入部で済まない、公演全体の総括が求められるからです。

メインのホールスタッフである木村京子は、後藤貴子が演じました。

彼女は「その2」から3年連続で同じ役で出演しています。

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※聞き耳カフェの陰の大黒柱。

バツイチ子持ち、父親失踪歴アリ(その後再会)という人生の紆余曲折を存分に味わった彼女です。

ちなみに、その3に登場した店長は、ある日突然、置手紙を残して失踪したという裏設定があり、その後は、もともと事実上の店長だった彼女がこの店を切り盛りしています(オーナーは別にいます)。
まさに苦労体質。

また、タイトルにある珠美を演じたのは山下カーリーさん。「寅さん」っぽい感じをリクエストしました。

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※フーテンだろうか?

態度は寅さんでも、立場的には人生ナメ切っている半ニート(親と同居)というところがなるほど現代のお話です。

ふたりは同級生なので同じ年という設定なんですが、あまりに違う暮らしぶりに、人生の奥深さを感じずにはいられません。

そういうふたりの対比だったり、珠美が実は「犬犬ファンタジア」のファンだったり、締め切りに追われていたり(怖い先輩に脅されてとあるサイトのライターをギャラなしで書いています)、もうひとりのホールスタッフである充名との確執だったりと、こまごました「お話が作れそうな設定」はあったんですが、そういうのを全部ふっとばして、最終的には街が石化しました。笑

本公演を見てない人には「なに言ってんだ?」と思われそうですが、わかる人だけわかっていただければ十分です。

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※一時は確執を期待されたふたり。

もちろん、これは二話目の「ピックアップ生首。」から出てきたアイディアです。

わざわざこういう展開にしたのは、もちろん理由があります。

一幕劇の基本的な技術として、「外の世界を想像させることで話に深みを持たせる」というのがひとつ。

語られている世界が、喫茶店のひとつのテーブルから街全体に広がるというのはお話のラストとして見栄えがいいだろうと考えました。

あ、一応話の中ではホテルの客が石化したということになっていますが、ゾンビの発生みたいなもので三人がホテルについたころには、街…すくなくとも豊平区全体に石化が広がってるイメージです。

また、フィクションラインを上げることで二話目の荒唐無稽感を薄めようというのも小さくない理由です。

もしかしたら、さんざん迷ったくせに「俺のほうが荒唐無稽だぞ!」と張り合いたかったのかもしれません。

ウソから出たマコトというオチはわりと古典的な感じもしますが、聞き耳カフェの空間ではずいぶん新鮮です。

「聞き耳カフェ」というリアルとフィクションの境界線をぼかしている演劇です。

いろんなバランスが考えられますが、今回は全体的に「演劇より」のバランスだったので、このくらいしなきゃ収まらないなと思ったのでした。

これで、「聞き耳カフェ その4」のふりかえりは以上です。

今回感じたのは、「能力はあるのにプライベート(主に仕事)が忙しくなかなか演劇にかかわれない人」に参加してもらうには、ちょうどいい企画だったということです。

また、機会がありましたら、必ず楽しんでいただけるメンバーで上演したいと思います。

その際はどうぞよろしくお願いします。

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さて、次はようやく『雨夜の喜劇』を振り返ります。まだ何を書くか決めていません。

今月中に振り返るのはちょっと難しくなってきました。

さて、何を書こうかしら。何か書いてほしいことなどあれば、連絡ください。笑
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2015年08月26日

エンプロ、2015年をふりかえる(4)

◎『半熟コンシェルジュ』(脚本・遠藤雷太)

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赤羽 紀子:長 麻美
川内 正志:野村 大

「ミスターロンリー」と呼ばれるほどの一人芝居の名手、野村大さんを迎えての二人芝居。
迎えるエンプロとしても、もっとも信頼できる役者・長麻美をあて、がっちりトリをつとめてもらおうという作品です。

書くほうもプレッシャーがあったのか、脚本執筆はきわめて難航しました。

今回見ていただいた話のほかに同じ設定で2パターンの話がありましたが、ボツになりました。
カーリーさんの脚本を5本も受け取ったあとでこんなことを書くのもなんですが、悲しかったです。

資料集めまでは楽しく行いました。
書籍系の参考資料は遠藤のブログ(*********)にちょいちょい載せています。
ご覧いただくと、どんだけ遠藤が迷走していたかお分かりになると思います。

ちなみにこの分野では教科書的な存在と思われる「究極のサービス コンシエルジュのすべて」は通読できなかったので、ブログには載っていません。

あと、コンシェルジュがいるという市内のホテルに実際に泊ったりもしました。

かなりお金がかかりましたが成果はあまりありませんでした。残念。

脚本家の愚痴はさておき。

ホテルのコンシェルジュという役割が、仕事ではなく生き様になってしまった二人の話です。

「狂気レベルの善意」を持つ赤羽(長)と、「快刀乱麻の接客スキル」を持つ川内(野村)のやりとりです。

野村大さんにどのような役を当てるかを考えるのは、悩みどころでもあり、楽しい作業でした。

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※仕事できる人特有の親しみにくい表情

見た感じから「頼りになるホテルマン」まではすぐに思いついたのですが、その上で普段一人芝居のキャラクターでよく拝見するような「青臭さ」「熱血漢」の一面も取り入れたいと思い、今回の設定になりました。自分なりに敬意を払いたかったのです。

また、二人芝居の基本は「対立と和解」。世の中の多くの二人芝居はこのプロットで作られてるんじゃないかと思います。

「一人芝居の名手」に出ていただく以上、「二人芝居らしい二人芝居」で野村さんを迎えたかったというのも今回のお話を選んだ動機です。

脚本の遅れをモノともしない抜群の安定感、面白くするのも自然に見せるのも自由自在のバランス感覚。実力ある役者さんでした。
みんな知ってたと思うけど。

対する長麻美は、「聞き耳」皆勤賞。回を重ねるごとに当て書きが難しくなるというのは世の常です。

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※情報量多いけど、がんばって左の彼女に注目していただきたい。

ちょっと今まで彼女が演じた役を並べてみましょう。

その1「公衆の面前で彼氏に別れ話を切り出す彼女」
その2「合コン後、参加した男どもに容赦ないダメ出しをする女」
その3「留年寸前の学生を追い詰める大学助教授」

それなりにバリエーションはありますが、とにかく身も蓋もない役ばかりですね。

いちおう、役者本人はそういう性格の人ではないことは、一回くらい公の場で書いておいたほうがよさそうな気がしてきました。

ふたりの戦いは、二人芝居の王道展開を見せます。技術はあるのだから、下手な小細工は逆効果です。
正反対の二人は、妥協点を見つけ、ほんの少し心の距離を縮める。

しかし、ここは「聞き耳カフェ」という、そもそも変則的な演劇空間です。

ラストには、自称ゴーストライターが王道展開を壊しにかかります。

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エンプロ、2015年をふりかえる(3)

◎『犬犬ファンタジア』(脚本:山下カーリー)

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安岡(首輪):塚本 雄介
榊(チンチン):梅津 学
新垣(肉球):山崎 孝宏
成田(お手):三戸部 大峰
紅葉(マネージャー):足達 泰雅 

脚本オファーと打ち合わせが終わって間もなく、カーリーさんからテキストデータが送られてきました。

本作含めて全部で5作品も。

読んでみました。どれも粒ぞろいでそれぞれおもしろい。

しかし、お願いしたのは1作品です。

そのとき最初に思ったのが、「なにこれ、怖い!」でした。

こちらは2作品+イントロダクションを書くのにひーひー言ってるのに、やるかどうかもわからない(といいうか4/5が確実にボツになる)作品を5本も書いて送ってきたのです。

カーリーさんのその筆の速さと気前のよさに心底おののいたものでした。

そんななか、『犬犬ファンタジア』が選ばれたのは、「遠藤が絶対書きそうにないバンドが題材」、「男5人芝居という今までの聞き耳ではありえない絵面」という点を遠藤が気に入ったからです。

また、5人の登場人物の書き分けもきちんとできていたので、読んでいて混乱しない。お見事でした。
その書き分けの妙に敬意を払う意味でそれぞれ登場人物&役者さんを簡単に紹介したいと思います。

リーダー役には塚本くん。
過去3回の聞き耳にもすべて参加している数少ない役者さんです。
今回の役は、かつて一世を風靡したバンドのリーダー。
浮世離れした佇まいといい、低音の美声といい、今までの聞き耳の中でも、特にフィットした役だったと思います。
始まる5分くらい前に席についてもらい、いくらなんでも存在感が薄まるであろう、開演1時間後くらいに遠吠えをブチかます仕掛けは、提供側としても見ていて爽快でした。

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※何が起きても何もしないという演技。

そして、榊役には梅津くん。
メンバーの中でもっとも音楽の素養が高く、唯一いまだに現役のミュージシャン。
しかしそのわりには他のメンバーから尊敬されていないというかわいらしい役柄です。
梅津君の業界人っぽさと小物っぽさを両立する手際の良さはさすがでした。

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※業界人っぽい。ぽいのか。

新垣役は山崎孝宏くん。
よく笑い、よく怒る。「犬犬ファンタジア」の一番槍。メンバーの理論担当が榊なら、感情担当がこの役・新垣です。
何をやっても暗く見えない山崎くんの人柄が十二分に発揮されました。
山崎くんは明るさだけでなく心底真面目な面を併せ持っています。今後もご一緒したい役者さんです。

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※驚くか怒る、または笑う直前の表情。

続いて、成田役には三戸部くん。
成田は、見栄えのいい大きな体に繊細な心根。面倒見のいい成田の性格は、役者三戸部くんそのものと言えます。
読み合わせのときにいきなり「かぼそい」声の演技プランを出してきたときには、かなり驚きました。
何気ないセリフですが「今をときめく主夫だよ」は音声込みでしばらく忘れることはできないでしょう。

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※今をときめく主夫。

最後は、マネージャー紅葉役の足達くん。
足達君は演技プランの豊富さに驚きました。気がつくと新しいプランが増えている。手数の多さは立派な武器です。
また、前半まったく喋らないフリップ芸の人であり、犬メイクの人でもあったので、テクニカル系の作業がいちばん大変だった役でもあります。

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※風邪のわりには薄着。

紅葉もそうですが、足達くんも後輩キャラ(実際年下)だったので、そんな細かい作業に苦労する彼と、それを取り囲む気遣い上手な先輩役者陣で、チームの一体感が出てよかったと思います。

あらためてこの短い上演時間で5人もの役をきちんと書き分け、オチに持っていく感じは、やはりいい本だなと感じました。

そして、今回できなかったほかの4作品も、どこかで日の目を見ることを祈っております。
posted by エンプロ at 15:28| Comment(0) | TrackBack(0) | つれづれ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

エンプロ、2015年をふりかえる(2)

◎マリアージュ有象無象(脚本:遠藤雷太)

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古谷照子:金子綾香
阿仁屋みどり(ドリー):三宅亜矢
権藤薫:小松悟

というわけで各論に入ります。

超絶ポジティブな古田照子と理論派ネガティブの安仁屋みどりは、『聞き耳カフェ その2』から1年ぶり3回目のふたりです。

ポジネガが対決してネガが勝てるわけもなく、過去何度も苦汁を舐めてきたドリーに、ようやく逆転のチャンスが訪れるというのが今回の話です(ちなみに前回も似たような話です)。

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※理論派(ただしネガティブ方面のみ)

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※ポジ担当。(敏腕コンシェルジュも注目)

それにしても、ドリーが連れてきた権藤薫という婚約者。

何がどうなったらこのふたりが付き合い始めるのか。疑問に思った方も多いのではないかと思います。

出会いはある工事現場でした。

コンクリートとむき出しの地面の間に足を取られて転んでしまったドリーに、手を差し伸べたのが薫くんでした。

彼は工事現場で交通誘導のアルバイトをしていたのです。

このカップルの作品的テーマは「誰が見ても将来を危ぶむ夫婦」です。

その場の勢いで交際を始め、結婚にまでいたったその背景に、数々の偶然があっただろうことは想像に硬くありません。奇跡と言ってもいい。

ただし、誰もが将来を危ぶむ夫婦が本当に不幸になるとは限りません。

案外、子供が生まれたらそれなりに楽しく過ごせるのかもしれませんし、5〜6年後には子沢山家族になる可能性だってあると思います。想像すると爆笑です。日常に追われ、ネガティブになっている暇もなくなるんじゃないでしょうか。

そうなったときに、照子はどこで何をしているんだろうと想像するのも興味をひかれます。

このふたりが本当に親友かどうかは、作者である遠藤にもわかりません。

おそらく、ずっとふたりの力関係が変わらないということは、ないと思います。

数十年後、ふたりが年老いて、照子が先に死んだとします。

ドリーは安らかな顔で眠る照子の横で「先に行かないで!」と泣いているんじゃないかと思います。

想像すると結構泣きそうになります。

そのときに初めて、「ふたりは親友だった」と言えるのではないかと思います。

ただ、少しも笑える話ではないので、遠藤が書くべき話ではないなーと思ったりもします。

もちろん、ぜんぜん違う未来が待っているかもしれません。

あっさり来年あたりにみどりが離婚している可能性もかなりあります。そのころには照子が再婚してたりしてね。

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※薫くん(稽古序盤)



◎ピックアップ生首。(脚本:深浦佑太)

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保瀬 いたお(ホセ):深浦 佑太(ディリバレー・ダイバーズ)
橋安 けん(ハシヤス):村上 義典
充名あい(店員):大沼理子

先に脚本の深浦佑太くんからプロットを見せてもらったのですが、第一印象は「正気なのかな?」ということでした。

深浦くんは以前に役者として「聞き耳」に出演してもらったことがあったので、雰囲気はわかっているはず。

なのに、何度読み返してみても人が石化している。

最後にネタばらしがあるわけですが、その間「人が石化したもの」として、演者もお客さんも見なければならない。

普通の演劇と違って抽象表現が一切できない聞き耳カフェの空間でそんなことが本当に成立しうるのか。
結構悩みました。

しかも、この作品、人が石化することがキモなので、その要素をカットすると話が成立しない。

そこでプロデュース側として差し替えを要求するのは簡単です。

ただ、繰り返しになりますが、深浦くんは「聞き耳カフェを知っている人」です。勝算があるはずなのです。
もしくは、本当になにも考えていないのです。

考え方を二択にまでしぼれたので、あとはすぐ決断できました。

深浦くんの定義する聞き耳カフェを見てみようと。

それをやんなきゃ、外部の人に脚本頼む意味がない。

出演者は、ほとんど自動的に深浦くんに決まりました。

より責任の片棒をかついでもらおうという意図です。

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※片棒をかつがされる。

そして、もう一人はあれこれ協議した結果、エンプロ初参加の村上義典くんに白羽の矢が立ちました。

遠藤自身は、比較的大き目の劇場でしか村上くんを見たことがなかったのですが、実際に間近で演技を見るとはっきりと期待以上でした。

力のある役者が至近距離でぶつかりあうわけですから、やはり迫力が違います。とても贅沢な空間になりました。

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※本人は不安だったのかもしれません。

また、なにより大事なのは誰が石化するのかということ。

この配役もかなり難航しました。

少しでも石化に説得力を持たせたい。

そこでダンスの技術があり体の使い方に長けた大沼理子さんにお願いしました。

出番が少ない上に石化する役という本当に意味不明なオファーだったのですが、男前な理子さんは快く引き受けてくれました(少なくとも表面上は)。

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※柄が落ち着かない。

結果、かなり演劇っぽいバランスの作品になりました。

多少の賛否はあるでしょうが、演劇として間違いなくおもしろかったですし、フライヤーの文章にあったように「聞き耳」空間の向こう側の世界を見せてくれたように思いました。

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※石化の元凶。

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2015年08月22日

エンプロ、2015年をふりかえる(1)


『聞き耳カフェ その4』および『雨夜の喜劇』、ご来場のみなさま、どうもありがとうございました。

エンプロの遠藤雷太です。

これで今年のエンプロの活動は終わりです。

そこで、このブログで今月中に2015年の活動を振り返って、残りの期間を怠惰に過ごそうと思っております。

長いので複数回に分けてあげていきます。

ぼちぼちお付き合いいただければ幸いです。

『聞き耳カフェ その4』

正直、今年はやるかどうか迷いました。

過去三回で喫茶店・会話劇しばりで10作くらい脚本を書いています。

ネタ切れとは言わないまでも、ひとりの作家が同じシチュエーションで書いてると癖や傾向も目立ってしまう。

ざっくり言うと「つまんなくなる」わけです。

そこで、今回は一部作品の脚本を外注することにしました。

「聞き耳カフェ」自体は面白い企画なので、一人の作家がこだわってつまんなくなっちゃうのももったいないなと。

もちろん、だからといって誰でもいいという話ではありません。

聞き耳カフェの企画をよく理解し、おもしろい脚本が書ける人間となると、そう多くはありません。

そんな中、お願いしたのは深浦佑太君と山下カーリーさん。

札幌演劇に詳しい人だと役者のイメージが強いんじゃないかと思いますが、脚本家としても頼れるおふたりです。

それぞれ、遠藤が絶対に書かないタイプの脚本を書いてくれたので、聞き耳カフェに新しい光を当ててくれたと思います。

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緊張の初読み合わせ。(このあとの稽古でこんなに人数が集まることはほぼない)


◎タイトルについて

前出のとおり今回は遠藤の脚本に加え、深浦佑太君・山下カーリーさんのおふたりに一本ずつ脚本をお願いしました。

書いてきてくれた二人の作品のタイトルが、それぞれ『ピックアップ生首。』『犬犬ファンタジア』

深浦くんの作品は「漢字とカタカナ」の組み合わせが多いイメージなのですが、たまたまカーリーさんの本もそうだったので、遠藤の書く本でもそれに乗っかることにしました。

それが『マリアージュ有象無象』『半熟コンシェルジュ』『ゴーストライター珠美』の三作です。

前出の二作品はともかく、遠藤のタイトルは単に「面白い単語の組み合わせ」をタイトルにしたに過ぎないのに、奇跡的に内容と合っていて、「生首。」「犬犬」ともども気に入っています。

次回から各論に入っていきますよ。

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2015年08月09日

8月の公演告知!『雨夜の喜劇』

エンプロ・プロデュース公演vol.17『雨夜の喜劇』

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「大丈夫。これ以上面倒なことになんかなるものか!」
ある夏の雨の日の夜。マンションの一室。
田舎に住む両親を迎えて、ホームパーティを企画する息子夫婦。
ただの楽しいお食事会になるはずが…。
「隠し事」は誰にでもある。でも限度もある。
はたしてこの家族を襲う「嵐」は無事におさまるのか。
家族の絆を守るため、ウソにウソを重ねていく怒涛のワンシチュエーションコメディ。


【日時】

2015年

8月6日(木)20時
 8月7日(金)20時
 8月8日(土)14時/19時
 8月9日(日)13時/18時
 開場は開演の30分前


【会場】

演劇専用小劇場BLOCH

札幌市中央区北3条東5丁目5岩佐ビル(サッポロファクトリー北向い)
地下鉄東西線「バスセンター前駅」7番出口より徒歩9分
JR札幌駅南口より徒歩10分
岩佐ビルのゲートの奥にあります。


【脚本・演出】

遠藤 雷太


【出演】


長 麻美
深浦 佑太
(ディリバレー・ダイバーズ) 
楽太郎

阿部 祐子×後藤 貴子×金子 綾香
《トリプルキャスト》


山崎 孝宏・塚本 雄介×村上 義典・櫻井 保一(yhs)
《ダブルキャスト》


池江 蘭×寺地 ユイ
《ダブルキャスト》


伊藤 しょうこ
(劇団怪獣無法地帯)
城島 イケル
(劇団にれ)


【ダブル&トリプル出演者日程】
8月6日20時:後藤/山崎・塚本/寺地
8月7日20時:阿部/村上・櫻井/寺地
8月8日14時:金子/村上・櫻井/池江
8月8日19時:阿部/山崎・塚本/池江
8月9日13時:後藤/村上・櫻井/池江
8月9日18時:金子/山崎・塚本/寺地



【チケット】
前売 2,000円
当日 2,300円
2ステージセット券 3,000円
中学生以下:無料(要予約)
※2ステージセット券は譲渡不可。お一人でご使用下さい。

【チケット予約・お問合せ】
 ・予約専用フォームCoRich(こりっち)・エンプロ
 TEL: 080-7028-4722
 MAIL: endoupro@yahoo.co.jp



posted by エンプロ at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 雨夜のブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

エンプロ・プロデュース公演vol.17『雨夜の喜劇』(8月の公演告知!の追記)

■ ごあいさつ ■

世の中には2種類の人間がいます。「困る人」と「困らせる人」です。
と、それっぽく書いてみましたが、
人間そんなに簡単に分けられるものではありません。
お互いがお互いに困り困らせながら社会は成立しております。
ウソツキ、頑固、浮気症、自分勝手…
こういう「困らせる人」は身近にいるとホント迷惑ですが、
コメディの中では驚くほど魅力的な登場人物になります。

今回はダブル&トリプルキャストです。
手練の役者陣による、千変万化の困りぶり、困らせぶりが今回の見どころです。
さまざまなキャストの組み合わせでご覧いただけるよう、
「2ステージセット券」もご用意しました。
ぜひご利用ください。

なお、本作はエンプロでは珍しい「再演」です。
初演ではyhsの南参さんに演出をしていただきました。
今回はご多忙でお願いできませんでしたが、
前回作っていただいたプランをもとに、更なる面白さを積み重ねていくつもりです。

本作は家族の話です。
いくら見えないふりをしてもしっかり繋がっている「縁」の話です。

はたして彼らを襲う「嵐」は無事におさまるのか。
多くのお客さまにご確認いただければ幸いです。

                          脚本・演出:遠藤雷太



■ スタッフ ■

【照明】相馬寛之
【大道具】上田知
【舞台美術】川崎舞
【音響】橋本一生
【音響操作】倉内衿香
【制作】加納絵里香・大沼理子
【宣伝美術】大塚ちかこ


チラシ裏面はこちら↓
雨夜の喜劇_A4_裏.jpg
※配布しているチラシでは「バスセンター前駅」の8番出口をご案内していますが、工事のため閉鎖中です。7番出口が最寄りとなりますので、ご注意願います。




posted by エンプロ at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 雨夜のブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする